レビュー詳細

「これからどんな風に展開していくんだろう」と考えながら聴く作品でした。
この曲は、一日の出来事を淡々と綴ることから始まり、4分以上かけて綴り終えます。悠長とも思えるこの展開は昨今のトレンドから離れており、それだけで聞く人を選ぶ作品かもしれません。しかし、この直後の「ダビングのような生活」という歌詞に共感する人は多いだろうと思います。
描かれるのはさもありふれた会社員の一日。そこにじっくりと感情移入させられます。そして、サウンドも盛り上がってきてからのこのワンフレーズが来る。なにか核心を突かれたような気がしました。
同じような日々の繰り返しに、焦りに似たものを感じることがありますが、歌詞の最後にあるように「間違い探しのような生活」は続いていきます。仔細に綴られたこの『手記』はきっと、繰り返す日々のなかのささやかな変化を見落とさないため、感情の変化を書き留めるためにあるのでしょう。
些細な日常をドキュメンタリーのように魅せる、エモーショナルな作品でした。

#VOCALOID#VOICEVOX#ポエトリーリーディング#ポストロック#初音ミク#小夜#無色透名祭Ⅱ

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