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#長文レビュー

109件

とあるボカロPに捧げられた恋文

タイトル

憧れは痛みとなって、 / 初音ミク - カイネ

投稿者

カイネ

最初この曲を聴いたとき、すぐあるボカロPさんが思い浮かびました。それくらいわかりやすいリスペクト。どこまでも真っ直ぐな“好き”の想いが強烈に響いてくる。ぞくぞくする。その気持ちは、ただ綺麗なものだけじゃなくて劣等感や焦燥感など陰のある感情も混ざっている複雑なもの。大好きなボカロPさんへの好きをこんなふうに表現できること。そういった作品にふれられたことに心の震えが抑えられません。

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2025.02.22

レビュアー：泡沫たんぽぽ

#ボカコレ2025冬 #初音ミク #恋文 #長文レビュー
音楽にあらゆる感情や動機を見出す”おれらのうた”

タイトル

あおばの足音 / 駄菓子O型 feat.めろう

投稿者

駄菓子O型

音楽を聴いた時の気持ちの揺れ動きを柔らかく捉えて寄り添ってくれる曲。「NO MUSIC NO LIFE」という言葉がありますが、それを作品にした時のひとつの形がこの曲なんじゃないでしょうか。このテーマだけで嬉しいのに、それをサウンド面でここまで表現できてしまうのが本当にすごい！何より言いたいのは、「キメ」「フィル」「ブレイク」の粋がこのサビの頭に込められているということです！歌からサビに入るのでなく少し遅らせて先に来るキメとブレイク、これがあるから次のボーカルと一緒に鳴るフィルがサビを本格的に盛り上げてくれるし、ラスサビの2:51ではこのフィルをさらに豪華にしてクライマックスを演出してくれます。そしてこれらすべての手法が、3:00で何のアクセントも入れないありふれたフレーズを無限の開放感へと繋げているんです。フレージングによってドラマチックさを演出しつつも、サウンド自体はリッチにしすぎないことで普段の日常から地続きな、ちょっとした特別感を表現しています。紛れもなく、音楽を聴き続けるわれわれリスナーのための曲です。

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2025.02.22

レビュアー：め

#NEUTRINO #おれらのうた #お洒落 #ボカコレ2025冬 #めろう #長文レビュー
現代アート作家としての椎乃味醂

タイトル

1ピース - 初音ミク

投稿者

椎乃味醂

なによりまず言いたいことがあって、あの、このテーマでビジュアルがももえさんなの！？！？""勝ち""じゃん！！好きなんですよ、ももえさん。ファインアート的な文脈で萌えカルチャー影響下のキャラクターを扱う、いわゆる「キャラクター絵画」で活動する作家。その中でも、二次元キャラクターの"三次元ではない"という特性、キャラクターによる空間への干渉、みたいなものを追求した面白い作品を作り続けている方だと思っています。二次元キャラクター絵画に"裏側"を発生させるのがとても得意な作家さんなんです。 ……あまり長々書いても「ぼかれびゅ」から離れていくので、好きな作品のポストを貼っておきますね。ーーー最近は特に、椎乃味醂さんの「作家」らしさがどんどん研ぎ澄まされていっているように思っています。たとえば、2023年末の佐久間洋司キュレーション『拡張される音楽』で展示されたたなか×椎乃味醂『多面体、鏡面』。こちらは、作品にあわせて新規作成された合成音声キャラクターを使い、鑑賞者の感想を作品に取り込み再生成を繰り返すことで「ユーザーたちによる合成音声シーンの成長」を再現・表現しようとするような作品となっていました。本作と同じももえさんとのコラボレーションも2024年末に行っていましたね。こちらはより直接的に、本作に近いテーマを持つ作品だったと思います。詳しくはInstagramの本人による文章を。興奮のままに文章を書いているのでなにもまとまっていない。あのね、私、すごく嬉しいんです。椎乃味醂さんが作家として、アートを演る場として、ボーカロイドカルチャーを選んでくれていることが！近年の椎乃味醂さんの動画サイト外での活動や、それにより研ぎ澄まされた思想/表現/作家性をボーカロイド音楽として還してくれている。それが本当に本当に嬉しくて、嬉しいです。曲の話してないな、これ。曲は、自分で聞きにいってください！

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2025.02.22

レビュアー：御丹宮くるみ

#VOCALOID #アート #ボカコレ2025冬 #初音ミク #長文レビュー
変化が怖いだれかに届けたい、人生賛歌

タイトル

ポリビュー / 初音ミク

投稿者

いえぬ

昆虫標本。押花。写真。瞬間を切り取った美術品をモチーフに、時間軸における瞬間/セツナの輝きについて歌う1曲。時間と共に失われてしまうものもあって、過去の瞬間は永久にそのまま保存できるわけではない。それでも切り取っておくことで未来に届けられるものはあって、たとえばそれは人間もいっしょ。過去の素敵な思い出も、どこかに忘れてきてしまったような気がするなにもかもが、今のあなたとツナガっている。変化が怖いだれかに届けたい、人生賛歌だと受け取った。玉虫色した刹那の瞬間が訪れ続ける、と言ったら、まさに音楽ってそういう芸術だと思う。音階の段階を取り払ったしゅわしゅわとしたシンセの多用によって、"玉虫色"を強調する音像も見事。ポリビュー。polyview。「poly（多くの）」+「view（視点）」なんだと思う。

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2025.02.22

レビュアー：御丹宮くるみ

#MikuPOP #VOCALOID #ボカコレ2025冬 #人生賛歌 #初音ミク #自作アニメーション #長文レビュー
強制終了前夜に届けられた終末ミクノポップ

タイトル

心が海に落ちた / 初音ミク

投稿者

鬱桑型

ピコピコ音トラックに重厚な低音の効いたミクノポップ。1番まではfuture bass風の可愛らしくも力強いトラックという印象だが、“力強い”を新たに意味づけして塗っていくドロップからの映像の“壊れ具合”は圧巻だ。2周目には『生まれ変われたら　心の底に埋もれた夢を　一つ一つ紡ぎ出して　祝杯をあげたかった』をはじめとした様々な歌詞の意味が分かることだろう。程よく直情的で理解して共感しやすい歌詞とパワーのあるトラックが合わさって、絶望を感じる状況下でも聴く側にあまり辛さを感じさせない、手軽さと深さを両方併せ持つ1曲になっている。

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2024.08.30

レビュアー：楽宮

#ぼかえり2024夏 #ミクノポップ #視覚芸術展 #長文レビュー
光の差さない現実を鋭く描くオルタナティブロック

タイトル

【初音ミク】3331【オリジナル】

投稿者

ナノウ

攻撃性の高いバンドサウンドと煌びやかなストリングスの対比織り成す、"人生"というショーの片隅で、地を這って命を啜るような光の差さない生き様を描くオルタナティブロック。サビ前の「ああああ」という4文字の叫びは、適当に名付けたRPGのキャラクターのように、容易く書き換えられてしまう命の始まりを思わせるのに対して、ラスサビの「あああああああああ」という叫びからは、結局理想に届かないままの凡庸な人生を迎えた絶望感を叩きつけられたように感じられる。後に引けない現実を前に、「ライフワズビューティフル」という言葉の刃が鋭く突き刺さる。

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2024.07.01

レビュアー：苔氏

#VOCALOID #VOCAROCK #オルタナティブロック #ニコニコメンテナンス中 #初音ミク #長文レビュー
ミク×ミクデュエット←オタク全員好きでしょ

タイトル

Supernova / 雄之助×春野 feat. 初音ミク【Music Video】

投稿者

雄之助

雄之助×春野といえば、雄之助さんが2017年に投稿した作品「深昏睡 (Yunosuke Remix)」を思い出す方も多いのでは。かくいう私も当時こちらのRemixで、春野さんの持つエレクトロニカ的でありつつも妙にアッパー/ダンサブルなグルーヴと、雄之助さんのエレクトロサウンドが放つ粒立ちやインテリジェンス性の掛け合わせに脳を焼かれたひとりです。そんなペアでリリースされた今作。トラックの空気感は雄之助さんの色が濃く、特にUKのかおりが漂うシャッフルビートは雄之助さんの味が満載。一方、やや有機的なサウンドメイクには近年の春野さんの味を強く感じます。何が言いたいかって、「それ！！！！！！！聴きたかった！！！！！！！」という！！！！気持ち！！！！そして、ぜったいに聞き逃してほしくないのがボーカル。以前から雄之助さんのボーカル調声を担当している攻さんによる"雄之助ミク"と"春野ミク"の掛け合いなんです。同じボイスバンクによる掛け合い……！オタクが全員好き……！MVも同じく、キャラクターデザインの大きく違うミク×ミクでストーリーを紡いでいます。嬉しすぎる。春野さんのボカロ関連作品としては5年ぶりのリリース。今作はプロジェクトセカイへの書き下ろし楽曲でして、公式からの紹介文によると雄之助さんから春野さんに声を掛けたとのこと。同じ時代に活躍したふたりが今でも交流を持っている様子が見られることに、一ファンとしてとてもあったかい気持ちになりました。ちなみに書き下ろし先は、ストリートをテーマにしているユニット「Vivid BAD SQUAD」……と見せかけて、アイドルをテーマにしているユニット「MORE MORE JUMP!」。つまりK-POP影響下のアイドルソングとして書かれているのだということを念頭に置いて聴くと、また違った味が染み出てきます。

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2024.06.26

レビュアー：御丹宮くるみ

#EDM #VOCALOID #コライト #デュエット曲 #ニコニコメンテナンス中 #プロジェクトセカイ #初音ミク #夜のうた #掛け合い #長文レビュー
後の”Reloaded”に繋がる原曲、その斬新さは今なお輝く

タイトル

[初音ミク] 二息歩行 [オリジナル曲]

投稿者

DECO*27

言わずとしれたDECO*27さんの名曲！一部アレンジが施された「Reloaded」バージョンで知っているという方も多いのではないでしょうか。 Reloadedと原曲で音楽的に最も大きな差異として、編曲面がひとつ挙げられます。Reloadedではヒバナ以降氏の多くの楽曲のアレンジを手掛けているRockwellさんが担当、一方で原曲は本人による編曲となっています。つまりサウンドメイクからフレーズ、アレンジまですべてDECO*27さん純正のものということ。原曲の最たる特徴が、常識離れしたドラムフレーズ。打ち込みかと思いますが、特にAメロや２番のCメロあたりは演奏する身としてはなかなか思いつかないアイデアによるフレーズとなっているんです。そしてその斬新さを持ちながら演奏可能なフレーズでもある。しかも気持ちいい！後のReloadedやライブでの実際の演奏でもこれを下地にメロディメイクされており、DECO*27さんの手掛けたドラムの求心力が強すぎてもはやこの曲にとって切り離せない存在となっています。またReloadedでもドラムの土台は同じと書きましたが、こちらではより自然に聴きやすくなるよう細かく整地されています。裏を返せば、一聴して耳を引くインパクトとそれを際立たせつつしっかり成立させる絶妙な平衡感覚は、原曲ならではの持ち味と言えます。ドラムに焦点を当てて書きましたが、リメイク作品と原曲を比較して楽しむというのも曲の楽しみ方のひとつなのではないでしょうか。

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2024.06.21

レビュアー：め

#VOCALOID #VOCAROCK #ニコニコメンテナンス中 #初音ミク #長文レビュー
ミクと彩る二人の時間

タイトル

でいどりーむ /豆カカオ feat.初音ミク

投稿者

豆カカオ

何度も繰り返されるフレーズ、Day by Day。一日一日の何気ない瞬間を切り取ったような動画の構成と、始まりと終わりが繋がっている演出。あぁ、この人の傍には初音ミクが実在しているんだなと感じるそんな一曲です。曲のテーマも、歌詞も、音も、イラストも、動画構成も、全部が大好きです。虚構じゃない積み重ねを感じられます。ずっと幸せであれ。

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2024.05.23

レビュアー：そーだー

#チル #初音ミク #実写PV #長文レビュー
シナジーの準備はいいか！ “ニューニュー存在”が生み出すとんでも王道ポップ

タイトル

ポッピンヒューマノイド／バーミーズ feat. 初音ミク

投稿者

バーミーズ

話しかけてくるようなAメロとBメロの歌詞や、幻視的なまでにカラフルなMV、わかりやすい構成ながら最先端のリズムといった、奇抜で高度な楽曲の側面を持ちながらも、敢えてキャッチーさを前面に出した楽曲。特にリズムについては、4拍目に2回音をねじ込んで作るJersey Clubというジャンルに特徴的なリズムを要所要所で採用している。これは『Bling‐Bang-Bang-Born』でも使用されて大流行しており、作曲者の芝さんの流行感度には平伏するしかない(もちろんBling‐Bang-Bang-Bornがリリースされる前に作られていた可能性もあり、それはそれで先見の明があってヤバい)。そして今回もTommyさんとミクのデュエットに相応しく、他者とのシナジーをテーマにしている。いや、「人間じゃないねんな」と言っているのでもはや他者でもなくいわば「他存在」と言うべきだ。楽曲世界観の中で相手を人という枠組みから外したからこそ「見た事ない？　ならまだわからないよね」という1Bメロの歌詞が、説得力を持って迫ってくる。そしてここで起こした「実際に見ないと分からない」というニュートラルな提起が「ちょっと未来の　いちばん踊りたいとこで　出会うはずさ」とサビでプラスの提起に変化してハッピーな気持ちになれる。聞き手の気持ちの持っていき方の上手さを感じる歌詞は、聴きやすくも心に残る素晴らしい塩梅で、私たちの心を軽くしてくれる。ちなみにXで投稿したぼかれびゅは、巷で話題をさらっているGPTｰ4oに「100字くらいで曲のレビュー書いて」という指示とキーワードを与えて書いてもらったものだ。生成AIという「ニューニュー存在」の脅威ばかりが取り沙汰される世の中だが、この曲を聴いていると、案外私たちはGPTｰ4oとも仲良くなれるのかもしれないと思うのだ。

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2024.05.23

レビュアー：楽宮

#ボーカロイドと歌ってみた #長文レビュー
ポエトリーリーディングの幅を広げる「学術リーディング」楽曲

タイトル

0〜200m 表層（海と、その深さについて） / ナースロボタイプT

投稿者

無色透名祭Ⅱ

「海と、その深さについての解説」という独特なコンセプトのポエトリー楽曲。一貫して学術的な説明を行うナースロボと、キラキラしてどこかメカニックなサウンドが合わさった様子は、まるで水族館の中にいるようです。さらに当楽曲を収録したEPでは、波打ち際から最深部に至るまでの各階層についての楽曲もあります。引き続き学術的な説明を続けるナースロボタイプTに対して、楽曲は様々なジャンルで構成されており、その海のような楽曲群の広がりに驚かされることでしょう。あなたは、どの深さの海が好きですか？

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2024.02.01

レビュアー：楽宮

#VOICEVOX #ナースロボ_タイプT #ポエトリーリーディング #海 #無色透名祭Ⅱ #長文レビュー
貴方に届けたい、「繋がり」の歌

タイトル

swimmy / 初音ミク

投稿者

蒼天のラピスラズリ

うひゃ～！と声が出るような本能が好きだ！と叫びだしてしまうリズミカルな音楽です。この曲を聴くと自然と体を揺らしてしまいます。スイミー、皆さんは覚えていますか？1匹の小さな魚が仲間を大きな魚に飲み込まれて、次は出会った仲間たちと協力して大きな魚に立ち向かう・・・子供の頃は「ジャイアントキリングだ～」ぐらいにしか思っていなかったんですが、大人になった今改めて考えると「支え合う大切さ」を伝えてくれていたのだなと気付かされました。 vocaloid水槽入りタグの曲でもあり映像はまさしく水の中なのですが、歌詞を読むと魚にまつわる単語も水に関わる単語も出てきません。このテーマであえて音楽的な「水槽感」は出しつつも、直接的な表現を控えていてそれでもテーマがしっかり伝わってくるのは感動すら覚えます。

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2024.01.31

レビュアー：そーだー

#VOCALOID水槽入り #初音ミク #楽しい #長文レビュー